中国語の学び方(おすすめテキスト紹介等)
まず中国語を概観した本を読んで、中国語がどんな言語かをちょっと知りやってみたいか、興味を持てそうか決めると思います。
中国語概観
おすすめ本
私は『初めての中国語』を読みました。日本語や英語とも多少比較しながら、客観的に中国語を眺めます。
発音と文字
おすすめ本
勉強することを決めたら、まず発音と文字を覚えます。
私は『中国語発音の基礎 (CDブック)』で勉強しましたが
『発音の基礎から学ぶ中国語』でも良いと思います。一冊買えば充分でしょう。
無料教材なら
『東京外国語大学言語モジュール 発音モジュール』があります。
学習ポイント
・声調(四声)を正確に発音すること
・前鼻音(‐n)と奥鼻音(‐ng)を区別すること
・反り舌音(zhi, chi, shi)をマスター
・無気音(b,d,g,j,z,zh)と有気音(p,t,k,q,c,ch)
・zu,cu,suとzi,ci,siは区別すること。
・hの音はしっかりと喉をこすらせること
・rの音はしっかり声帯を振るわせること。
(余談)
日本の拗音(きゃ、じゃ等)について。日本のコンビニで中国人の留学生がレジで働いているとお釣りの額を言う時に「ごひゃくきゅうじゅうえん(590円)です」というべきところ「ごひやくきうじうえん(590円)です」と聞こえることがまま有る。(日本語の拗音は独特で英語圏の人もうまく発音できない人が多い。)逆も真なりで、我々日本人は拗音で発音してしまわないよう注意しないといけない。例えば「家(jiā)」なら「ジャー」と発音せず「ジアー」と発音しないといけない。
無気音と有気音の区別に関しては私は濁音と清音になってしまうので、あまり偉そうなことは言えないです。
初歩の聴力と文法
おすすめ本
この本は音声付きのテキストであり、中国語の音に慣れることもでき手始めに必要な文法知識も視覚的に見やすく、内容的にも分かりやすく説明されているので、初期段階に使うと勉強がスムーズに進むと思います。赤字でメモ風にポイントが記載されていて見やすいです。
会話
おすすめ本
中国語は聴き取りが難しいので、上記のような音声入りの教材を勉強した方が良いと思います。会話だと、単語帳のように短調ではなく、続けやすいです。この中では『30日…』が一番絵が豊富で出てくる単語も少ないです。『中国語会話…』がその次です。覚えるべき文型の文章の一部の単語をいろいろな単語に入れ替えて勉強できるようになっているところが良いと思いました。『中国語リスニン…』が上記の中では一番難しいです。会話練習をすれば、自然と中国人に話しかけてみたくなると思います。『中国語リスニン…』はスピーキングも重視しているので良いように思いました。
文法
おすすめ本(使った本)
中国語がどんな特徴を持つ言語かを知るためには文法を理解する必要があります。
中国語学習書としては超有名な本書です。私もこの本で勉強しました。
本書の良い点は中国語を学ぶために必要な文法知識が効率よくバランスよく体系的に学べることです。文法説明が難しくなり過ぎず、網羅されていると思います。
ただ、文法書なのでCDなどの音声は有りません。
(余談)
一度ではなかなか内容を全て覚えられないので一通りざっと本書を勉強したら、中国人に積極的に話しかけるようにすると良いと思います。そして文法に関し疑問が生じれば、この本で該当する部分を再度参考にするという方法が効率の良い勉強法だと思います。
長年日本で中国語を教えている中国人が書いた本はやはり学ぶところが多い。
日本語を知っている中国語のネイティブは中国を学ぶには最高の先生でしょう。
『どうしてそうなる中国語』
中国語を教えていて、日本人から質問を受けたことや、日本人があまり理解できていない、良く間違える所を集めた事例集で勉強になった。
3冊の中では一番体系的に広汎にわたって文法説明がされており、おすすめ。良くまとまって分かりやすい図もある。
『語感を磨く中国語』
似たような意味の言葉を20セットぐらい取り上げ、例えば看上去,看来,好像,估计,看起来の使い分けはとても参考になった。
練習問題が付いていてちゃんと理解できているかチェックできる。さりげなく書いてある解説が中国人だからこそできる鋭い解説で勉強になった。
『中国語虎の巻』
最初エッセイ風でちょっと軽すぎるかなと思ったが、読み進めるうちに情報量も多く読み応えがあると思った。何となくしか理解していなかった
日中の言葉の違いも取り上げられている。ただ目次を見ただけでは各章に何が書いてあるか分かりにくいので、あとで読み返そうと思ったときに見つけにくかった。
単語
語学をする以上、語彙を増やす努力は避けて通れない。
おすすめ本(使った本)
イラストが付いていて視覚的にとっつきやすいというのもあるが、生活のいろんな場面に則した単語がたくさん掲載されているので学習の初期段階でまず覚えるべき言葉を優先的に覚えられる。(化粧の場面はちょっと詳し過ぎな気がするけど。女性の著者だからしょうがないか…。)フレーズで覚える仕組みになっているので言葉の組み合わせも学べ、ネイティブの自然な表現が身につく。単語帳を見るのは単調で味気がなく苦痛になるが、この本は場面設定が多少のストーリーがあるので、記憶に残りやすい。
この本は面白い。たくさんのことわざが書いてあり、ことわざ一つずつに会話形式の例文が付いているのだが、その会話がドラマ風で面白い。オチが有る会話もある。知的財産権の関係でここにご紹介できないのが残念だが、とにかく名前こそ辞典だが、時間があれば通読できると思います。
書名の通り、日本語の擬音語や擬態語をどう中国語ではどう説明するかが書かれてあります。辞典とはいえ、絵が多いですし、文字は大きいですし、かなり薄いので読み切れます。この本は和文にアルファベットで仮名が振ってあるので外国人でも使えます。日本語で擬音語の場合は中国語でも擬音語の場合が多いが、擬態語は中国語に無く、説明的になるということが分かります。
リスニング
おすすめ本(使った本)
『聴読中国語―HSK(漢語水平考試)大綱準拠 (東進ブックス)』
『CD2枚付 耳が喜ぶ中国語 リスニング体得トレーニング』
上記の2つはテキストの量が多く、テキストの内容も比較的面白くコストパフォーマンスが良かったです。『聴読中国語―HSK(漢語水平考試)大綱準拠 (東進ブックス)』のほうは定評が有りますね。
Webの無料教材では
が有りますね。
辞書
おすすめ辞書
語学をする以上辞書は欠かせません。ネットの無料辞書なら『Weblio日中中日辞典』は
特に中日辞典の方は
・中国語の単語の品詞ごとの用法が見やすい
ので良いように思いました。例えば「容易」という単語であれば、形容詞と動詞の使い方が有り
それぞれどういう意味かというのがみやすいです。
・検索が早いのでイライラしません
・広告があまり目障りにならないです。
・アルクの英辞郎みたいに同じ場所に日本語の単語を入力すれば「日中辞典」中国語の単語を入力すれば
「中日辞典」になるので使いやすいです。
ただ、中国語と日本語で全く同じ漢字を使う単語の場合、中日辞典、日中辞典の両方が前後に配置されて両方出てくるので最初だけ慣れないと、面くらってしまい見難いかもしれません。
類義語辞典
おすすめ辞典
『中国語類義語辞典』『CD付どう違う?例文で覚える中国語類義語1000』
似たような意味の違いをはっきり認識することは大事だと思います。
例えば、「漂亮」と「好看」、 「清楚」「と明白」、 「搞」と「弄」などです。
同形異義語辞典
おすすめ辞典
日本語と中国語は共に漢字を使うので、同形同義の場合は覚える苦労がな助かります(「一緒だあ。」
と親しみを感じたり「元々中国語に由来するんだ。」と気付かされる場合も有ります。)が、しかし意味が違う場合に紛らわしく
逆にいわゆる母語干渉で気付くのが遅れ障害になるということもあります。例えば「矛盾」や「曖昧」と言った単語は中国語の場合、日本語と同じ意味と
日本語と異なる意味とが有ります。ずれをはっきり認識するためには必要かと思います。
コロケーション辞典
おすすめ辞典
言葉の組み合わせを認識することは、どの言語においても必要です。日本語なら例えば「傘をさす」「うそをつく」の類です。
なぜ「傘を開く」「嘘を言う」と言わないかと言われても理屈はないです。言葉同士の結びつきは有る程度決まっています。